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春分の光に包まれてー大山に現れた雪形と人の営み


残雪と土が描く春の模様。季節が確かに動いていることを、大山が静かに教えてくれる。
残雪と土が描く春の模様。季節が確かに動いていることを、大山が静かに教えてくれる。


今年の春分の日は3月20日。暦の巡りもよく、三連休となった。

外に出ると、春の光が一気に世界を満たしているのがわかる。

強くなった春の光と、やわらかな雲。冬を越えた空は、どこか軽やかで優しい。
強くなった春の光と、やわらかな雲。冬を越えた空は、どこか軽やかで優しい。


太陽の光は冬とは明らかに違い、強く、そしてどこか優しく輝いている。

澄み切った青空に山陰らしいふわりとした雲が浮かび、その下に広がる風景は、まさに季節の移ろいそのものだ。

大山に目を向けると、雪と土が織りなす独特の模様が現れている。

いわゆる「雪形」と呼ばれるもので、伯耆国に生まれた写真家・田淵行男が愛した風景でもある。

雪が溶けて現れるその形は、単なる自然現象ではなく、季節のメッセージのようにも感じられる。

安曇野の北アルプスに多く見られる風物詩だが、ここ大山でもまた違った趣を見せてくれる。

この時期といえば、かつてはスギ花粉に悩まされる季節でもあった。

仕事も忙しく、心身ともに憂鬱な日々を過ごしていた記憶がある。

しかし近年は、食生活の見直しや生活環境の変化もあり、症状は驚くほど軽くなった。

やはり人の身体は正直で、日々の積み重ねが大きく影響するのだと実感している。

「寒さ暑さも彼岸まで」とはよく言ったもので、この時期になると空気が一気に緩み、どこか懐かしい匂いが立ち上がってくる。

子供の頃に感じた土の匂い、草の匂い。あの感覚がふと蘇り、心が少しほどけるような気がする。


行き交う車と、支える人々。何気ない日常は、多くの手によって成り立っている。
行き交う車と、支える人々。何気ない日常は、多くの手によって成り立っている。


三連休ともなれば、この地にも多くの人が訪れる。

道路には県外ナンバーの車がずらりと並び、普段とは違う賑わいを見せている。

最近では県外ナンバーも珍しくはなくなったが、こうした連休になると一気にその数が増えるのが面白い。

高級車、旧車、スポーツカー、オートバイ、キャンピングカー。

普段なかなか見かけない車両が行き交う様子を眺めるのも、ささやかな楽しみの一つだ。

経済が低迷していると言われながらも、こうして休日を楽しむ人々の姿を見ると、日本の底力のようなものも感じる。

その一方で、道路のあちこちでは補修工事が行われている。

過疎地であっても道路は整備され、拡張され、大型車両が行き交う時代となった。

その分、路面の痛みも激しく、絶えずメンテナンスが必要なのだろう。

これからの季節は屋外作業にも適している。

そうした現場で働く人々の姿を見ると、この何気ない日常が、多くの人の支えによって成り立っていることに気づかされる。

春の光の中で、自然と人と社会がゆるやかに交差するこの時間。

何気ない一日ではあるが、その中には確かな豊かさがある。

そんなことを感じながら、今日もまたこの風景の中に身を置いている。


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