top of page

寒い日のコーヒー

更新日:2月15日


寒い冬の真っ只中、ゆっくりとコーヒーを淹れた。

窓の外は一面の銀世界。ふわふわと雪が舞い、雲の切れ間から、ほんの少しだけ青空がのぞいている。気温は相変わらず低いが、室内は穏やかに暖かい。

線路の向こうから、特急やくもの走る音がかすかに届く。そのリズムに重なるように、JBLのスピーカーからスロージャズが流れてくる。音が部屋の空気をやさしく撫でる。

体は連日のスキーで少し疲れ気味だ。太ももやふくらはぎに残る筋肉痛が、「ちゃんと動いた」という証のようで、それも悪くないと思える。

今日はこれから里の家に帰る予定だ。特別な用事があるわけでもない。ただ、ゆったりとした一日が続いていく。

外では選挙が始まり、時折、拡声器の声が賑やかに響く。けれどそれが遠ざかると、またすぐに静寂が戻ってくる。この静けさが、雪の日のいちばんの贈り物かもしれない。

コーヒーを淹れた瞬間、部屋の空気がふっと変わった。湯気と香りが広がり、時間の流れが一段ゆっくりになる。

一口、口に運ぶ。その瞬間、思わず息が抜ける。「ああ」と、声にならない声が胸の奥でこぼれる。

生きている。そんな当たり前のことを、こんな何気ない一杯が教えてくれる。

さて、今日は何をしようかな。雪を眺めながら、もう一杯、ゆっくり飲んでから考えよう


コメント


bottom of page