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道後山


広島県の東北部、県境にほど近い場所に道後山がある。鳥取県側からもよく見える、どこか懐かしさを帯びた山だ。

雪のない季節には、よく登る。その頃の道後山は、鬱蒼とした森と、ひっそりと咲く花たちが静かに迎えてくれる。

今回は、初めての道後山スキー場。施設は正直に言って古い。リフトの配置や動線も、今どきのスキー場とは少し勝手が違う。

ロッジもまた古く、人の姿はまばらで、料金は驚くほど良心的だ。平日のシニア割で二千円。この時代に、これはありがたい。

下のリフトに乗ると、細長く、ねじれるように続くゲレンデが現れる。その形そのものが、このスキー場の歴史を物語っているようだ。

ゲレンデの端には、圧雪されないままの自然が残されている。「残している」というより、「そのままにしてある」と言ったほうが近い。

上のリフトへは、下のリフトを降りてから百メートルほど歩いて登る。ステップソールのブルーモリスなら、まったく苦にならない。むしろ、下から歩いて上がることさえできそうだ。

もし、いつかここが閉鎖されたとしても、それでも楽しく滑れるだろう。そんな想像が、自然と浮かんでくる。

上のリフトのゲレンデは短いが、なだらかで、急斜面はない。ここもまた、あまり整えられていない分、雪面には自然な表情が残っている。

視界は開け、景色がとても良い。古き良き時代のスキー場。そんな言葉が、しっくりくる。

上下のリフトの間には、かつて使われていたであろう宿舎の跡や、食堂の跡が残っている。ふと、思う。もしかすると、もともとは上だけがスキー場だったのではないだろうか。

調べてみると、道後山スキー場は広島県で最も古く開かれたスキー場で、県内のスキー発祥の地だという。なるほど、この佇まいにも、納得がいく。

近隣のスキー場が次々と閉鎖される中、ここだけは、なんとか営業を続けている。従業員は少なく、来場者も多くはない。活気があるとは、正直言えない。

それでも、広く、長いゲレンデを上から下までノンストップで滑ると、思いのほか滑りごたえがある。

テレマークで、ゆったりと、ゆっくりと、優雅に雪面をつないでいく。

ここは、テレマーカーにとって、本当に素晴らしい場所だ。

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