スキー場で過ごす、一人時間
- ふなっきぃ
- 1月26日
- 読了時間: 2分
冬の桝水は、不思議と人を静かにさせる場所だ。気温は4度。昨日までの雪が山全体をやわらかく包み込み、白と灰色の世界が広がっている。眼下には雪化粧した里と、その先に日本海。遠くまで見渡せるのに、音は驚くほど少ない。
車を止めて、ゆっくりと歩く。誰かと話す必要も、急ぐ理由もない。ただ景色を見て、空気を吸い、足元の雪を確かめる。そんな時間が、いつの間にか一時間ほど続いていた。
雪は最後まで良い状態だった。もう少しここに居たい気持ちもあったが、無理をしないと決めている。身体の声に耳を澄ませ、「今日はここまで」と区切りをつける。その判断もまた、一人で過ごす時間だからこそ大切にしたい感覚だ。
ロッジに入ると、窓の向こうに広がる白い斜面が目に入る。今日はハンバーガーではなく、カレーライスにした。野菜がたっぷりのった一皿で、1100円。驚くほど素朴で、驚くほど美味しい。ゲレンデと山頂を見渡せる席に腰を下ろし、誰にも気を遣わず、ゆっくりと味わう。
周りでは若者たちが賑やかにハンバーガーを食べている。その声をBGMのように聞きながら、こちらは静かにスプーンを運ぶ。賑やかさと静けさが、同じ空間に自然に共存しているのが桝水らしい。
一人で過ごす時間は、孤独とは少し違う。自分のペースを取り戻し、考えすぎていたことを手放し、ただ「今ここ」にいる感覚を思い出させてくれる。
桝水は、何かを成し遂げる場所ではないのかもしれない。けれど、何もしなくても満たされる。そんな時間を、静かに受け取れる場所だ。今日もまた、良い一人時間だった。



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