丁寧に出汁を引く贅沢
- ふなっきぃ
- 2月15日
- 読了時間: 2分

2月の陽気に誘われて。雪解けの空の下、丁寧におでんを煮込む幸せ
つい1週間前、家の前には40センチもの雪が積もっていました。 細い私道から大きな通りに出るまで、水浸しの轍(わだち)にハンドルを取られながら、必死に車を走らせていたのが嘘のようです。

あんなに深かった雪が、わずか3日間であっという間に姿を消しました。 道端に小さな雪の山を残すばかりとなった今日、2月だというのに4月のような暖かな陽気が訪れました。
久しぶりに暖房を消した静かな部屋で、私は台所に立つことにしました。
「手間暇」という隠し味
外は春のようでも、暦の上ではまだ2月。 おでんが美味しい季節は、まだまだ終わりません。
今日のおでんは、粉末だしで済ませるのではなく、削り節と昆布から丁寧に出汁を引くところから始めました。このひと手間が、仕上がりを左右する大切な儀式です。
大根は角が立たないように面取りを。
こんにゃくには味が染みやすいよう隠し包丁を入れて。
米のとぎ汁でじっくり下茹でをして、雑味を抜く。
そうして整えた具材を、黄金色の合わせ出汁でコトコトと煮込んでいきます。
巡る季節と、変わらない味
おでんを作っていると、ふと昔のことを思い出しました。 かつて鰻屋(うなぎや)でアルバイトをしていた頃、真夏の7月だというのに、賄いでおでんを食べていたことがあったのです。
暑い盛りに汗をかきながら食べたあの味も、今となっては懐かしく、私のおでん好きの原点かもしれません。
豊かな食卓は、幸せの礎
今日は朝からずっとコンロの横に寄り添い、おでんを育ててきました。 過ぎていく時間を忘れて、ただ美味しくなることだけを願って手を動かす。
今日は精米も済ませたので、炊き立ての美味しいごはんと一緒にいただく予定です。 「明日はもっと味が染みて、今日より美味しくなっているはず」 そう思うと、明日への楽しみも一緒に煮込んでいるような気分になります。
冬の終わりが近づく寂しさよりも、美味しいものを慈しむ喜び。 温かい食事を囲める日常こそが、何よりの「幸せの礎」なのだと、お出汁の香りに包まれながら実感した一日でした。


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